海面水温・海流(東北周辺海域)

平成26年7月10日発表
仙台管区気象台

診断(2014年7月上旬)

  • 本州東方の海面水温は、平年より高い状態が続いています。日本海の海面水温は、平年よりかなり高くなりました。
  • 親潮の南限位置は、沿岸寄りの分枝が北緯39.5度、東経143.5度付近と、沖合の分枝が北緯40度、東経148度付近にあります。親潮の面積は、平年よりかなり小さくなりました。
  • 対馬暖流は、男鹿半島の西では東経139度付近を北向きに流れ、津軽沖に達しています。

東北周辺海域の海面水温平年差分布図(7月9日)
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(7月9日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

本州東方の海面水温は、平年より高い状態が続いています。三陸沖や釧路沖では6月下旬に引き続き、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。

日本海の海面水温は、平年より高い状態が続いています。平年より風が弱い日が多く、海面の水が下層の冷たい水とかき混ぜられず日射により加熱されたため、海面水温が平年より2℃以上高い海域が拡大し、平年よりかなり高くなりました。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、本州東方の海面水温は、平年並か平年より高く、釧路沖ではかなり高いでしょう。日本海の海面水温は、平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2014年7月上旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:東北周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯39.5度、東経143.5度付近 北緯39度、東経143.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 北緯40度、東経148度付近 北緯40.5度、東経146.5度付近
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない
親潮の面積(※2 平年よりかなり小さい 8月上旬には平年並になる
津軽暖流の東端の経度(※3 東経142.5度付近(平年より西)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4 北緯37.5度付近(平年より北)
日本の東のその他の顕著な現象 東経145.5度に沿って暖水域がみられる
日本海の海流 対馬暖流は、男鹿半島の西では東経139度付近を北向きに流れ、津軽沖に達している

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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