海面水温・海流（東北周辺海域）
平成26年3月10日発表
仙台管区気象台
診断（2014年3月上旬）
- 本州東方の海面水温は、平年より低い状態が続いています。日本海の海面水温は、平年並となっています。
- 親潮の南限位置は、北緯39度、東経145度付近にあります。親潮の面積は、平年並となっています。
- 対馬暖流は、秋田沖にみられる暖水域に沿って時計回りに流れ、津軽沖に達しています。
東北周辺海域の海面水温平年差分布図（3月9日）
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。
解説
海面水温
本州東方の海面水温は、日高沖から北緯39度、東経145度付近にかけて、平年より低い状態が続いており、特に下北半島付近から三陸沖にかけて平年より3℃以上低い海域が広がっています。これは、この海域に親潮が南下したことと、寒気が流入したことによる影響と考えられます。また、金華山沖から常磐沖では海面水温が平年より1℃以上低い状態が1月中旬から続いています。
日本海の海面水温は、平年並となっています。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、本州東方の海面水温は、平年より低いでしょう。日本海の海面水温は、平年並か平年より高いでしょう。
海流の実況と見通し
2014年3月上旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表：東北周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注） 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※1） 北緯39度、東経145度付近 北緯38度、東経143度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置（※1） なし なし その他の親潮系冷水の位置 特にみられない − 親潮の面積（※2） 平年並 平年より大きくなる 津軽暖流の東端の経度（※3） 東経141.5度付近（平年より西） − 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※4） 北緯37度付近（平年より北） − 日本の東のその他の顕著な現象 特にみられない − 日本海の海流 対馬暖流は、秋田沖にみられる暖水域に沿って時計回りに流れ、津軽沖に達している − （注）『−』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。