海面水温・海流（近畿・中国・四国周辺海域）
平成29年10月10日発表
大阪管区気象台
診断（2017年10月上旬）
- 日本海では、海面水温が平年より1℃以上高い海域がみられます。
- 太平洋では、日向灘付近で海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大し、紀伊半島沖では海面水温が平年より1℃以上低い海域がみられるようになりました。
- 黒潮は紀伊半島の南から東海沖で大蛇行しています。
- 黒潮は、足摺岬で接岸した後、室戸岬と潮岬では離岸して流れています。
- 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐付近から北に流れています。若狭湾沖には反時計回りの流れがみられます。
近畿・中国・四国周辺海域の海面水温平年差分布図（10月9日）
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。近畿・中国・四国周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。
解説
海面水温
日本海では、9月下旬に引き続き、海面水温が平年より1℃以上高い海域がみられます。
太平洋では、屋久島周辺から日向灘にかけて海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大し、一方紀伊半島沖の黒潮流路の北側では、海面水温が平年より1℃以上低い海域がみられるようになりました。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、近畿・中国・四国周辺海域の海面水温は、日本海では平年より高く、太平洋では平年並か平年より高いでしょう。
海流の実況と見通し
2017年10月上旬の近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表：近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注） 足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 離岸する 室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 接岸する時期がある 潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 近畿・四国周辺海域のその他の顕著な現象 特にみられない － 日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐付近から北に流れている
若狭湾沖には反時計回りの流れがみられる－ （注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。