海面水温・海流(近畿・中国・四国周辺海域)

平成27年7月10日発表
大阪管区気象台

診断(2015年7月上旬)

  • 四国沖の海面水温は、平年より低い海域が拡大しました。
  • 山陰沖の海面水温は、平年より高い海域がみられなくなり、平年より低い海域が広がりました。
  • 黒潮は、九州の東の冷水域の沖合を北東に流れ、足摺岬、室戸岬および潮岬で離岸して流れています。
  • 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北西からは東に向きを変え、北緯36.5度、東経135度付近にある冷水域に沿って反時計回りに流れています。

近畿・中国・四国周辺海域の海面水温平年差分布図(7月9日)
近畿・中国・四国周辺海域の海面水温平年差分布図(7月9日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。近畿・中国・四国周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

四国沖の海面水温は、平年では10日間で1℃程度上昇する時期ですが、前線の影響で平年に比べて日照時間が少なかったため平年ほど上昇しませんでした。このため、四国沖の海面水温は、 6月下旬に比べて平年より低い海域が拡大しました。

山陰沖の海面水温は、平年では10日間で1℃程度上昇する時期ですが、寒気や前線の影響で、 6月下旬に比べ0.5℃程度低下しました。このため、山陰沖の海面水温は、平年より1℃以上高い海域がみられなくなり、平年より低い海域が広がりました。

海面水温の今後の見通し

近畿・中国・四国周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より低いでしょう。

海流の実況と見通し

2015年7月上旬の近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 7月下旬に接岸する
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 7月下旬に接岸する
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 8月上旬に接岸する
近畿・四国周辺海域のその他の顕著な現象 特にみられない
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北西からは東に流れ、東経135度付近にある冷水域に沿って反時計回りに流れている

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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