海面水温・海流(近畿・中国・四国周辺海域)

平成27年6月19日発表
大阪管区気象台

診断(2015年6月中旬)

  • 四国沖では、海面水温が平年より1℃以上低い海域が九州の東にみられ、前旬より北東に移動しました。
  • 山陰沖の海面水温は、平年より1℃以上高い海域が拡大しました。
  • 黒潮は、九州の東の冷水域の沖合を北東に流れ、足摺岬および室戸岬で離岸し、潮岬では接岸して流れています。
  • 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは南東に流れ、東経135度付近にある冷水域の南を回り、若狭湾沖を北に流れています。

近畿・中国・四国周辺海域の海面水温平年差分布図(6月18日)
近畿・中国・四国周辺海域の海面水温平年差分布図(6月18日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。近畿・中国・四国周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

四国沖では、黒潮の流路の影響により、海面水温が平年より1℃以上低い海域が九州の東にみられ、前旬より北東に移動しました。また、北緯31度以南では、暖かい気流の影響により、海面水温が平年より1℃以上高い海域が見られるようになりました。

山陰沖の海面水温は、平年では10日間で1℃程度上昇する時期ですが、平年より日射量が多かったため、10日前と比べて、北緯36度以北を中心に1.5℃以上上昇しました。このため、海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大しました。

海面水温の今後の見通し

近畿・中国・四国周辺海域の海面水温は、向こう一ヶ月、太平洋では平年並、日本海では平年並か平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2015年6月中旬の近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 期間の後半に接岸する
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸する
近畿・四国周辺海域のその他の顕著な現象 特にみられない
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは南東に流れ、東経135度付近にある冷水域の南を回り、若狭湾沖を北に流れている

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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