海面水温・海流(九州・山口県周辺海域)

平成30年5月10日発表
福岡管区気象台

診断(2018年5月上旬)

  • 九州・山口県周辺海域では、山陰沖西部から九州西方にかけての海域で、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。九州の東から奄美群島の東の海域では、 海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。
  • 黒潮は、トカラ海峡の北緯30.2度付近を南東に流れ、都井岬から離岸して流れています。
  • 奄美群島の東の北緯27.5度、東経132.5度付近に冷水渦が、奄美群島の南東の北緯26.5度、東経130.5度付近に暖水渦が、それぞれみられます。

九州・山口県周辺海域の海面水温平年差分布図(5月9日)
九州・山口県周辺海域の海面水温平年差分布図(5月9日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。九州・山口県周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

九州・山口県周辺海域では、山陰沖西部から九州西方にかけての海域で、平年より日射量が少なく、風が強かったため、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。九州の東から奄美群島の東の海域では、 平年より風が強かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月の九州・山口県周辺海域の海面水温は、山陰沖西部から東シナ海北部にかけての海域では平年並でしょう。また、九州の東から東シナ海南部にかけての海域では平年より高いか、かなり高いでしょう。

海流の実況と見通し

2018年5月上旬の九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.2度 / 南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸する時期がある
九州・山口県周辺海域のその他の顕著な現象 奄美群島の東の北緯27.5度、東経132.5度付近に冷水渦が、奄美群島の南東の北緯26.5度、東経130.5度付近に暖水渦がそれぞれみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

このページのトップへ