日本近海の海面水温

令和6年4月19日 気象庁発表
(次回発表予定  4月30日)

診断(2024年4月中旬)

  • 日本海、北海道南東方、本州東方、東シナ海北部では、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました(図中A)。
  • 四国・東海沖、関東南東方、沖縄の東、父島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しましたが、引き続き広い範囲で平年より高くなっています(図中B)。
  • 東シナ海南部では、海面水温が平年より低い海域がほぼみられなくなり、平年よりかなり高い海域が拡大しました(図中C)。
  • 沖縄の南では、引き続き海面水温が平年よりかなり高くなっています(図中D)。
  • 南鳥島近海の北緯25度以北では、海面水温が平年より高い海域が縮小しました(図中E)。一方、北緯25度以南では、海面水温が平年より低い海域が縮小しました(図中F)。

日本近海の海面水温平年差分布図(4月18日)
日本近海の海面水温平年差分布図(4月18日)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本海、北海道南東方、本州東方、東シナ海北部では、平年より風が弱かったことと暖かく湿った空気の影響に加え、日本海南部、北海道南東方、本州東方では平年より日射量が多かった影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました(図中A)。北海道南東方、本州東方の海面水温が平年よりかなり高い海域では、下層の暖水の影響もあると考えられます。

四国・東海沖、関東南東方、沖縄の東、父島近海では、平年より風が強い期間があったことに加え、日射量が少なかった影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しましたが、引き続き広い範囲で平年より高くなっています(図中B)。一方、四国・東海沖では、黒潮大蛇行に伴う下層の冷水の影響で、引き続き海面水温が平年より低い海域もみられます。

東シナ海南部では、平年より風が弱かったことと暖かく湿った空気の影響で、海面水温が平年より低い海域がほぼみられなくなり、平年よりかなり高い海域が拡大しました(図中C)。

沖縄の南では、引き続き海面水温が平年よりかなり高くなっています(図中D)。

南鳥島近海の北緯25度以北では、平年より風が強い期間があったため、海面水温が平年より高い海域が縮小しました(図中E)。一方、北緯25度以南では、海面水温が平年より低い海域が縮小しました(図中F)。

今後の見通し

日本海、北海道南東方、本州東方、東シナ海、沖縄の東、沖縄の南の海面水温は、向こう1か月、平年よりかなり高いでしょう。

四国・東海沖、関東南東方の海面水温は、向こう1か月、平年より高いか、かなり高いでしょう。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

関連情報

海洋の知識

データ

関連する診断

このページのトップへ